【感想メモ】 車田正美「リングにかけろ2」13巻 集英社(B6/ジャンプ・コミックス・デラックス/ISBN4-08-859429-0)

フランス編の続き。
一応「ボクシング」という単語は出てきますが相変わらず「リング」とは程遠い世界でドツキあっております。必殺技の応酬というのは「リンかけ」の華なのでこの「2」でも当然のように使われています。それはそれでいいのですが、麟童を始めとする新世代の連中の多くはその技が「先代の借り物」であり、何等努力の痕跡もみられないのに普通に技を使えているのが気になります。前作では主人公である高嶺竜児を始め、登場人物はそれぞれの才能というファクターはあったにしても、それなりの特訓の末に必殺技を獲得していました。それは剣崎ですら例外ではなく、発電所でどういう特訓をしたらファントムやマグナムを覚えられるのかは永遠の謎なのですがともかく特訓はしていました。少なくとも主人公サイドに関してはそれなりに「努力」の姿を見せておかないと、昔の車田マンガではヤラレキャラというかイヤなキャラがよくやってた「親の遺産で好き勝手やってます」という連中と同じになってしまうと思うのです。
フランス編はその前のドイツ編などとくらべるとまあ面白くはなっているのですが、絵も話もかなり大雑把になってきていて全体的にダレた感じがするので、そろそろトーナメントでもやってメリハリつけたほうがいいと思います。まあ今の調子ではトーナメントやってもやらなくても「前作の劣化コピー」以上にはならないような感じではありますが…