千葉暁「聖刻1092 聖都」3巻 朝日ソノラマ(新書/ソノラマノベルズ)

「完全版」の「聖都編」最終巻。「雷光の秘操兵」の一章分が2巻に収録された関係でやや薄くなっていますが、その分流れはすっきりしています。続く「東方編」以降で変容した設定との整合を取る為に細かい所に手が入れられてるこの「完全版」ですが、変動要素がその絶対量はともかく目に付く頻度はこの第3巻が一番多く感じます。フェンの復活から白と黒の決戦あたりの一番盛り上がる所は基本的にそのままであったのでうれしい。
挿絵はあれども操兵の図版などはなく、この世界の魅力を高めるビジュアル面がやや弱いのは相変わらずで、ムックや読本に頼るのみでなく、せめて主要操兵だけでも小説の巻末でいいから列挙して欲しかったものです。