「名探偵ポワロ」即ち"AGATHA CHRISTIE'S POIROT"の第9シーズンの四話、「五匹の子豚(FIVE LITTLE PIGS)」「杉の柩(SAD CYPRESS)」「ナイルに死す(DEATH ON THE NILE)」「ホロー荘の殺人(THE HOLLOW)」を収録。
このシーズンからあの耳慣れたテーマ曲のOP・EDが無くなり、ヘイスティングス大尉・ジャップ主任警部そしてミス・レモンの三人のレギュラーは不在となりました。登場人物と言う観点からは原作に忠実に近付けたと言う事でしょうが、陰惨な事件の中にも多かれ少なかれ「息抜き」と「安心」を与える三人の存在が無くなった事で、ドラマ自体が陰鬱な気配を纏う様になった気がします。
あと、「愛憎」が直接的演出で示される事が多くなり、前世紀の前半の慎ましやかな画面作りからは遠くなった雰囲気があります。好き嫌いで言えば前の方が好きです。
路線変更は仕方無いですし、悪くもないのですが「慣れた」スタイルが変わるとどこか寂しくなります。そのうち慣れると良いのですがともかく、D.スーシェ演じるポワロが全ての作品を映像化するという偉業の達成は期待し続けます。
