「敷衍」を敷衍

とある作文が文字数制限に引っ掛かるので、何とか一文字でも削れないか、と言う話が降ってきたので赤ペン先生をやる。
「浸透を図る」と言う文言があったので、得たりとばかりに「敷衍する」に変えたら関係者に「『ふえん』って何だ?」「日本語か?」「中国語だろ」「現代日本語なのか?」「常用漢字じゃないんだけど」「そもそも読めない」と非難轟々。意味を説明したら誂えた様であり、とある若手から「こんな言葉があるんだ…初めて(私を)尊敬しました」と言われた。 …気になるニュアンスだがまあ素直に喜んでおこう。そんなこんなで一応採用。
 かつて自分で作文した時も同じような事を言われたなあ、と思い返しつつ、「敷衍」と言うのは確かに会話では出てこないよな、とも思う。こういう作文でしか使わない言葉ではあるが、画数が多いのでそれなりに「格調高く」見えると思うのだがどうか。別に誰に頼まれた訳ではないが、色々と使い手がありそうな言葉なので事あるごとに周りに薦めてみようかな。受け入れられにくいとは思うけど。
ちなみに「最初に手がけた」と言う文言を「嚆矢として」に変えようとして「『敷衍』で駄目ならこれも駄目だろうなあ」と予測してそこはパスしたのは秘密である。
皆もっと本読もうぜ!「質」に関しては私も大きな事は言えないけどな!