森薫「乙嫁語り」1巻 エンターブレイン(B6/BEAM COMIX)

ビクトリア朝の英国社会で「メイド」を描いた「エマ」の作者の新作。
今度の舞台は19世紀の中央アジア遊牧民や定住化した元遊牧民たちの社会で、12歳のカルルクと彼に嫁いだ20歳のアミルを中心に描かれる。
「エマ」も大概マニアックな舞台だと思ったが今回はそれを更に超えていた。 12歳の婿に20歳の嫁など、無くは無い話であるが、あまり一般的ではなく、これまたマニアックな素材を選んだものだな、と関心した。 1巻では夫婦や家族のほのぼの話がメインではあるが、アミルの実家が土地確保の為にアミル奪還を図ったり、割合にキナ臭い展開が見え隠れしている。そういう意味でも先の展開が興味深い所である。
絵・演出共に出だし好調な印象を受けるので、この調子で早く続き出して欲しいものである。