野上英太郎は謎めいた女性からの人探しの依頼を受けるが、調査先で不可思議な齟齬に出会う。野上は再び依頼人と会う事になったが、依頼人が眼前で死亡してしまい…と言う話。
狩野俊介シリーズの第5作にして、狩野俊介が不在と言うシリーズとしては異色作。天才的な閃きや洞察力のある俊介ではなく、いつもは「ワトソン」役の野上英太郎が地道に捜査する、やや大人よりの作品となっている。俊介は多感な少年であるが故に持ち込み難かった(と思われる)題材を持ち込んで、かつシリーズキャラクターを無理なく活躍させているのが良かったと思う。
