新装版

出版不況と言われて久しい昨今、「新装版」とか「新版」とか「改版」と称する再刊行が目につく。古典或いは古典的な作品なら仮に所持していても買う、所謂「固定ファン」が計算出来るからだろうか。
来月の新刊をチェックしていたら、東京創元社よりERBの「火星のプリンセス」が「新版」で出るらしい。更に小学館文庫からも出るらしい。
ERBはSFと言うかファンタジーの古典とも言える作家ではあるが、何故今頃…と思ったら、ディズニーが「火星のプリンセス」を原作に「ジョン・カーター」作って居たらしい。不覚にも知らなんだ。随分前に話が出てお蔵入りになったとばかり思っていたが、作ってたのか…まあ今のCG技術なら緑色人とかバルスーム世界の描写も結構良いかもしれないので期待出来る …と思ったが、「愛する妻と娘を失った地球の男ジョン・カーター」って何事?南軍大尉じゃないのか?おいおい、期待転じていきなり不安要素が爆発し過ぎだろ、これ。
それはそれとして、創元の新版の表紙が随分と無味乾燥なのが謎。武部本一郎画でないとやる気が出ないと言うかなんというか。流石に新規の武部画は無理として、同社、と言うか同文庫には「キャプテン・フューチャー」の例もあるのだから、作品に対する理解とそれっぽい画風の絵師の一人や二人はいるだろうになあ、と東京創元社の善処を願いたい今日この頃。