「名探偵ポワロ(Agatha Christie's POIROT)」第68話「死者のあやまち(Dead Man's Folly)」

ポワロはオリヴァ夫人の依頼でナス屋敷に赴いた。そこでは殺人推理ゲームが行われるのだが、夫人は何かが起こる嫌な予感がするという。そしてゲーム当日、被害者役の少女が本当の死体で発見され…と言う話。
諸般の事情で「カーテン」より後の撮影された「名探偵ポワロ」の撮影上の最終回。ナス屋敷の撮影はクリスティの家だったりするらしく、そういう面でもなかなか興味深い。ファイナルシーズンの最初の2作は相当原作から変わっていたが、この作品はかなり原作に忠実。一部の登場人物が整理されたり、手掛かりのシーンが増えて居たりする以外はほぼそのままであり、最近のシーズンのエピソードの中では却って新鮮な印象を受けた。
 それはそれとして、「ビッグ・フォー」でも気になっていたのだが、日本語版スタッフが以前と変わったようで、キャラクターやセリフの一貫性が維持出来ていないのが気になる。さらにこのエピソードでは「郡のリューテナント卿」と言うセリフがあるけれど、英語で聞くと「Lord Lieutenant of the county」であり、これ州知事とか総督とか言う意味だったような。「Lieutenant」を固有名詞のように用いるとかチェックが行きとどいてないのか?と思わせる。折角のファイナルシーズンに水を差すような適当な仕事は避けてほしいものだ。