三人の素浪人が旅先で悪を斬る痛快時代劇の第1シリーズ。時代劇と言えば「水戸黄門」的な「普段は庶民に身を窶しているいるがいざとなると権威で退治する」と言うパターンが多いように思うが、この作品ではあくまで「一介の素浪人の『三匹』」が義憤…だけでもないが…に駆られ悪に立ち向かうというものである。私は「水戸黄門」や「遠山の金さん」等の「王道」ものも好きだが、権威や枠組みに囚われない素浪人達が戦うと言う点でこの作品を大いに評価している。「三匹」、即ち殿様・千石・たこと同行者(第1シリーズはお恵(杉田かおる))の掛け合いも楽しく、筋立ても一時間枠にしては真面目に作って楽しめるものが多い。ゲストも今からみれば随分と豪華な使い方をしている話もあり、脚本と役者がしっかりしていて、妙な規制がなければいつまでも楽しめる作品が作れる、と言う良い例の一つだと思う。第1シリーズだけあって、まだ固まってない部分も見受けられるが、それだけに新鮮な感じが楽しめるDVDである。「三匹」が同じメンバーの第5シリーズ迄は出してくれるとうれしいが、さてどうなることか。
