安永航一郎「青空にとおく酒浸り」1巻 徳間書店(B6/リュウコミックス)

判崎小朝は4歳の頃炎天下で車に閉じ込められた時、通りすがりの科学者にマイクロマシン(MM)を注入され一命を取り留めた。そして9年後、彼女の前に同じくMM保持者、石野篠と出会う…と言う話だが、実際の所、話はどうでもいい。
安永航一郎は「スネ毛」と「変態」描かせたら右に出るものは居ない、ある意味唯一無二の漫画家さんだが、相変わらずその方向性はこの漫画でも健在。誤解を恐れずに言えば、ストーリーは「あって無きが如し」なのだが、無駄な勢いで読めるから困る。連載誌のカラーかもしれないが例によって「やりたい放題」なのがこのご時世すごい。「県立地球防衛軍」の頃からのフォロワーとしては「陸軍中野予備校」の6巻の件があるから年単位で新刊の間隔があるのは織り込み済みだがそれにしても「9年」は長かった。その反動と言う訳でもないだろうが、2巻が来月発売と言う事で正直驚いている。色々中途半端で止まってる作品もあるからそちらもカバーして欲しい所だが、取り敢えずこの作品だけでも順調に出し続けて欲しいと思った。