和月伸宏「武装錬金」4巻 集英社(新書/ジャンプ・コミックス/ISBN4-08-873651-6)

L.X.Eの一員としてカズキと斗貴子に戦いを挑む早坂姉弟…という図式の第4巻。このあたりのエピソードの頃は連載がヤバい、という感じがありありとあった頃で、作者の書いているようにバトルものの部分が不人気だというのが改めて頷けます。それと早坂姉弟も少年誌では暗すぎてカタルシスを感じられないのも面白さを減じているように思います。作者はバトルとそのような心象風景のようなことを描きたいのかもしれませんが、少年誌というフィールドにおいては商業上あまりよろしくないように思えます。だからといって簡単に「ラブコメ」化されても却ってしらけますからやはり人気作品というものを成立させるバランスというのは難しいようです。結局、4巻に至っても斗貴子やブラボーそしてパピヨン等、多少ヘンだというのも含めてもキャラ立ちが弱くて、特に主人公カズキがもう少しはっきりしてれば早坂姉妹も良いコントラストになったのでしょうが、そこまでいけてないのが問題なのかも。部分部分は面白いところもあるんですけど、全体ではバランスがいまいち。素材は悪くないと思うので修正して持ち直してほしいものです。