サン=テグジュベリ(石井洋二郎 訳)「星の王子さま」 筑摩書房(文庫/ちくま文庫)

子供向けと見せかけて実は「かつて子供だった大人」に向けてるとかそうでないとかいう、とにかく有名な作品ですが、文庫で出ていたので読んでみました。「新訳」ということだそうですが、「象を飲み込んだヘビ」や「もっとも美しい風景」等、挿絵は作者の手になるものがそのまま使用されております。
大昔子供だった時に読んだ時はさっぱりわからなかったやりとりも、今読むとなかなか含蓄があるように感じます。これをそのまま受け入れることが出来る子供がどの程度居るのか知りませんが、少なくとも私は大人になった(年齢的に)からこそ受け入れる事が出来るようになった作品です。何度も読み直せばその度に新しい発見があるかもしれませんし、もしかしたらそうではないかもしれない。しかし、いわゆる「癒し」とは違うとは思うのですが、心がささくれ立った時に読み直すと自分を見つめなおして落ち着くことが出来るような気がします。またそういう時にでも読み直してみたいと思います。
それはそれとして、このくらいの文章を原文で読めると格好いいでしょうなあ。