眼鏡は縦にひび割れて

午後、「白い稲妻」号で出撃。
秋となってその上曇っているから気温はそこそこ。日差しは弱めなので普通に眼鏡で出掛けたのだが、これが悲劇に繋がる事など神ならぬ身に分かる訳も無い。
「白」は久しぶりだったが鈍ってる。鈍りきっている。言いようの無い程鈍りきっている。
それでも30分も走ると身体も温まってきて、坂をのんびり下っていると、「ぶしゅーーーーっ」と言う音がする。「あー、なんか高圧タイヤから空気抜けてるような音だなー」と思ったら自分の自転車のタイヤだったorz。
結論から言えば後輪がパンクしていた。外側に異物も無いので多分リム打ちパンク。選択肢はチューブ交換しかないので今時の若者のよう(?)に地べたに座り込んで作業を開始する。
良く考えるとチューブ交換は経験が無い。しかしパンク修理の経験はあるのでタイヤ外してチューブを取り出すまでは問題無し。問題は空気入れ。アルミ製の空気入れが加熱を始める程努力して一応そこそこの圧にしかならない。自転車に30分乗るのとこの作業のどちらがよりカロリーを消費するのだろう、と考えるのはデブの習い性だろうが、取り敢えずは乗れるようになった。
どうでも良いが、一応パンクしたチューブの患部を確認するが、空気漏れの音が聞こえない。地球環境のために皆もっと静粛性の高い車に乗ればいいのに、と公憤の形を借りた私憤を爆発させたが誰も聞いてないので口は閉じたままだった。
そのまま家に帰るのも癪なので、更に走って某球戯場のあたりに到達する。そういえば職場有志がジョギングするとかしないとか言っていたな、と思いついて冷やかしてやろうと軽く坂を上ったり下ったりする。何人か頑張って走っている人達を見かけて「おーがんばってるがんばってる」と思いつつ、汗を拭おうと眼鏡をはずしたら手が滑った。万有引力の法則に従いそのまま舗装された地面に一直線。今度は流石に呆然として「一体私が何をした…」と天を仰ぐ。私には多分信仰は無いが愚痴を言いたくなる事は有るのだ。
眼鏡を取り上げてみるとレンズが見事にひび割れて、騙し騙しでも掛けられたものではない。暗澹たる気分になりつつも、自動車や自動二輪なら眼鏡なしでは乗れないが、まあ自転車なら…と言う事で、そのまま暫く走って眼鏡屋さんに行き、眼鏡の修理を依頼。とどめは眼鏡屋で「ガラスのレンズは在庫がないので2〜3日は掛かります」と言われた事だった。そうか、今時はコンタクトレンズか眼鏡でもプラスチックのレンズなのか…老兵は死なず、ただ消え去るのみなのか、と思いつつも「…ガラスでよろしく」とすごすごと家路に着くのであった。
全く一体今日はなんて日だ。諸般の事情で最近神社仏閣には近付いて無いのだが、そろそろ御祓いしてもらうべきなのかもしれない。出来れば年明けになってから、と思ったがそういう気分的なことはそろそろ切り替えるべきなのかもしれない。