平らな円盤の世界の上で

自転車に乗っていた。知らない道で知人と出会った。
でも誰だか分からない「知人」。ぼやけて見える。でも「知人」。性別も分からない。でも「知人」。
戸惑った。家に居た。「知人」が居た。何人も居た。誰が誰だか分からない。
帰ると言った「知人」が戻って来た。道が途中で途切れている、と言った。
「そんなバカな」と行ってみた。10km先に道が無い。どの方角も道が無い。
街は円盤だった。平坦だった。10kmだった。その先には何も見えなかった。何もなかった。
それが全てだった。世界の全て。
他には人は居なかった。動物も居なかった。
家に居た。知らない人が居た。顔が見えた。知らない人だ。一目で分かった。異人。
「なんだ気付いたのか」
意識が落ちた。


自転車に乗っていた。知らない道で知人と出会った。
同じ事をした。同じ事を話した。
街は円盤だった。平坦だった。10kmだった。その先には何も見えなかった。何もなかった。
異人に言った。「二回目か!」と言った。
謎のような異人は言った。「何度目だっけ?」別の異人に聞いた。
意識が落ちた。


自転車に乗っていた。知らない道で知人と出会った。
異人に言った。「何回繰り返すんだ!」と言った。
謎のような異人は言った。「実験だからね」と言った。
意識が落ちた。


自転車に乗っていた。知らない道で知人と出会った。
異人に言った。「いい加減にしろ!」と言った。
謎のような異人は戸惑った。「一回ごとに作り直しているのに変だなあ」と言った。
「複製なんだから覚えてなくていいのに」と言った。
意識が落ちた。


自転車に乗っていた。知らない道で知人と出会った。
異人に言った。

世界が真っ白になった。


と言う夢を見た。意味分からないが怖かった。
SFドラマにありそうな話だが、オチが分からないのが怖かった。何だったんだろう一体…