侍戦隊シンケンジャー 最終幕

子供番組でここまでやるか、と終盤になって一気に展開が物凄くなったシンケンジャーもいよいよ最終回。
「殿」が「影武者」で一年間に渡り家臣と視聴者を欺いていた事が明らかになって俄然盛り上がった訳だが当初からの着実な伏線など、あとから見直すと恐ろしく真面目に作られているのが分かる。前述の驚愕の展開以降、はぐれ外道の十臓が外道に相応しい最期を迎えて、丈瑠と侍達が新たに絆を結び直す或いは再確認するあたりからは、王道とも言える展開となった。結果として突飛な展開は無いけれど、その分安心して観る事が出来た。ある意味で「漢」のドウコクや未練を捨てて散った太夫、「生きるため」に命半分捨てたシタリ等敵方にもドラマがあり、やもすれば憎まれ役になりがちな「姫」や明らかに憎まれ役な丹波にも見せ場を用意し、最後の最後まで楽しめた。
正直な所、ここまで面白くなるとは想像してなかったが、一年を通したドラマでこのような展開が出来ると言うのは、まだまだ日本の特撮も捨てたもんじゃない、と思う。ただこの展開を本来の視聴者である子供さん達が楽しんでいるかどうか。その点は大いに気がかりでもある。
いずれにしても戦隊もので「大人も楽しめる」のは良いと思うので、これからも良質な作品を供給してくれれば、と思う。