椎名高志「絶対可憐チルドレン」3巻 小学館(新書/少年サンデーコミックス)

連載も安定して…と言いたい所ですが掲載位置が相変わらず微妙なのと、作者のサイトでの作者コメントから察するにかなり製作工程が一杯一杯なのが涙を誘う第3巻です。
 内容はラスボス(?)の兵部京介が登場して、反エスパー組織だけでなく、反ノーマル組織とでもいうべき存在が出現して、チルドレンが「天使か悪魔か」というこの作品のテーマと成るべき話への伏線が張られていたりもしていよいよ「本編開始」という感じとなっています。シリアスな中にもギャグは入っていてしっかり楽しめます。
「兵部のヒュプノで大人に見えてしまうチルドレン」に皆本がおたおたする話では、皆本を「誘惑」するあたりでチルドレンそれぞれの性格が出ていて面白い。「悪女の素質がある」といわれながら割りと無邪気に心を除こうとする志穂と「スクール水着」で直球勝負の薫の間に挟まれて、本来影が薄くなりそうな葵ですが、皆本の視線に気づいて「スカートを慌てて押さえながら頬を赤らめる」という高等戦術を駆使してくれて私個人としての評価は急上昇です。眼鏡とツリ目は伊達じゃない!というかここが見所。
あと、カバー折り返しの「戦慄!!普通の拷問」に爆笑してしまったりしています。小ネタを使った四コマが相変わらず上手くてうれしいのです。今後もこの調子で進めてほしいものです。