読んだ本

読書に向いた季節になって来た。

義江彰夫神仏習合」 岩波書店(新書/岩波新書)

古代から中世にかけて発生した「神仏習合」。実例を挙げつつその時代の情勢を記した本である。中央政府と地方豪族、そして庶民の姿と力関係が神仏の世界に反映されていく姿はとても面白い。新書サイズなので事細かく、とは行かないけれど、説明や概要は素人が読んでも分かりやすかった。「神仏習合」は前から興味あるテーマなので、これを手掛かりに関連する本を読んでみたいと思う。

逵日出典「八幡神神仏習合」 講談社(新書/講談社現代新書)

八幡神、或いは八幡大菩薩について、その出自や宇佐を中心とした文化圏について書いた本である。八幡宮あるいは八幡神社と言うのは全国各地津々浦々に存在するが、その祭神たる八幡神には良く分からない部分もある。北部九州の地方神…更に辿れば外国の神とも思われる八幡神がどのようにして応神天皇神功皇后比売神と結びつき、中央政府への影響力を持つにいたったか、また全国に広まったかという事が述べられており、宇佐や国東半島の独特な文化圏の形成の過程など興味深い記述が多い。宇佐を中心とした地域を回ってみたくさせる本である。なお、神仏習合については八幡神の出自に関わる事なので当然のように記述があるが、その他の神々についての記述は多く無い。念のため。