小川一水「こちら、郵政省特別配達課!」 朝日ソノラマ(新書/ソノラマノベルズ)

文庫で出た時には民営化されるとは思いも寄らなかった郵政省ですが、文庫発売当時はこのブッとんだ設定に笑った作品の新書版です。確かに「採算度外視で郵便物を届ける!」というのは「親方日の丸」でないと無理だよね、と思いますが、読み進めるうちになんとなくその無茶な設定も馴染んでくるのが面白い。正直なところ、最初の「一話完結」の方が好きでして、「追伸」の方は微妙な感じがしますが、八橋鳳一と桜田美鳥のラブコメディの結末をつけてるので嫌いではないです。ただ少々強引な感じはしましたけれど。さすがに続きは出ない感じですが、もう少し無茶な「お届けもの」のネタを読んでみたかった気がします。


○今日の主な収穫