藤原正彦「国家の品格」 新潮社(新書/新潮新書)

「若き数学者のアメリカ」を始め、いくつものエッセイを世に送り出した数学者の著者が日本の現状を憂い、独自の考えを披瀝した講演会の内容を元にした本です。筆者のエッセイは前述の「若き〜」から読んでおりまして、文章がしっかりしていて読みやすく、内容も楽しいと思います。ただこの本に関しては「講演を元にした」もののせいか、いささか内容が薄いというか、これまでの筆者のエッセイがあればいいですが、そうでなければちょっと偏った軽すぎる話にも読めなくもないです。「英語より国語」を始め、同感する所も多々あるので個人としては楽しく読みましたが、やはりこれだけでなく、他の本も読んでおくとより話が分かり易くなると思います。