どぶろく祭り

新聞の地方欄を読んでいたら「昨日よりどぶろく祭りが開催」と言う記事が目に入る。
杵築市大田の白髭田原神社は九州で唯一「どぶろく」の製造を許可されている神社で、毎年10月17日が前日祭、18日が神幸祭が行われるが、それがいわゆる「どぶろく祭り」である。
人間の都合にお祭りを合わせるのではない…これが正しいのだが…ので、平日に普通に行われる事が多く、毎年「行ってみたかったなあ」と思っていたのが今年は土曜に掛かっていた!慌てて時刻表を調べて電車でGO!
電車に揺られ、シャトルバスの出る杵築駅に着いたらシャトルバスが目の前を出て行く悲しみ。電車着が12:29なのだから10分とは言わないが5分位待てよなあ…と悲しむ。しかし「こんなこともあろうかと」自転車「蒼の稲妻」号を輪行しておいたのだ。と言う事でリハビリ兼ねてだらだら走る。地図でみると15〜6kmなので一時間位、と見積もったが、きつくて進まないわ、道路工事で遠回りさせられるわ、色々あって一時間半弱掛かった。疲れた。結局は「次のバス」を待った方が楽だった件。まあこういう事もある…いやこういう事ばかりか。
まあそれはそれとして目的の「白髭田原神社」に到着。神社は小高い丘の上に位置し、石段や随身門、立派な拝殿や本殿のある田舎にしては中々立派なもの。鳥居前の参道には人だかりがしており、出店もあって、まさに「お祭り状態」。石段を登ると上から神職の方や御神輿や神具を携えた地元の方々が降りて来ていた。お祭りのクライマックスらしい。それを拝みつつ、本殿に進み参拝後いよいよ「どぶろく」である。
拝殿向かって右側に御神酒でもあるどぶろくを注いでくれる場所があり、杯にどぶろくを頂ける。「味が気に入ったらどんどんおかわりしていいから」と言われる。なんと素晴らしい、と思いつつ、どぶろくを頂く訳だが発酵した酒らしいすっぱさの次に感じるのが「アルコール度数高っ」。普通の日本酒とかの度じゃねえ、と思ったら、やはり20度位有るらしい。それは強いわ。調子に乗っておかわりしたら倒れる所だった。流石御神酒である。
ちなみに神社では奉納金も受け付けており、金額に従い、御神酒であるどぶろくを分けていただける。徳利が専用品なのが中々。それから場所柄車で来る人も多いが、ドライバー向けには小さな容器で御神酒がいただけるようである。来年はぜひこちらも頂いてみたいものだ。
よい雰囲気を楽しんだ後、丁度バスがあったのでそれに乗る。坂がきついとかだけじゃなくて、少量でも酒を飲んだからには自転車乗りは自転車には乗らないっ!
杵築駅には30分程。途中温泉施設とか目に入ったけれど、シャトルバスは途中下車不可だった。また別に行く事にしよう。
杵築駅では40分以上の電車待ち。うーん。行きもそうだが、公共交通機関があまりない神社の御祭りで折角バスを用意するなら、電車との連動ももう少し考慮して欲しいものだと思う。であればもう少し楽しめたかな、と思う。
まあ愚痴も言ったが、前々から憧れていた「どぶろく祭り」に思わず参加出来てとても楽しかった。風邪の症状が出ていて少しきつかったけれど、神社参拝の上に酒が飲めるとなると身体が良く動く事。「動機」さえ上手く与えられれば私でもこれほど動くのか、と自分に驚きながら、未知の味を楽しみ往古に想いを馳せるのであった。
ああいい一日だった。