銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE

第12話「死闘(後編)」にて一応TVは終了。まあそれはそれでいいのだが、原作第1巻を完結出来ずに「続きは映画で」と言うのは酷いとしかいいようがない。旧作は「新たなる潮流」まで16話使っているが、内4話は外伝とオリジナルのエピソードのため、実質は12話となるのでDNTと同じ。となると尺の使い方が誤ってると判断せざるを得ない。と言う事でこれは酷い。
今風で絵は綺麗で第1話と第2話の構成は中々面白く、旧作より原作準拠で行くのかと思えば途中から風向きが変わって困惑したのはどこからだったか。CG使った艦隊戦や空戦は中々面白い…艦艇が近すぎるとか気になる点も多かったが…けれど、必ずしも「大艦隊」のスケール感を表すのに成功していたとは言えないのが勿体ない。
結局、色々な意味で「厚みが足りない」感じが強い。脚本、絵、音楽…まあこれは比較するのがアンフェアだが…、そして演技。そもそも、スタッフが「原作読んでない」としか受け取れない台詞・演出・絵・設定が散見されるのはどうしたことか。旧作が完璧とは全然思わないが、新作であるからにはそれを越えようという意思は感じられなかったのは哀しい。キルヒアイスの声優さんが病気療養中とはいえ、キルヒアイスを「沈黙提督」にしているあたりに覚悟の無さも感じる。原作つきとはいえ、作品を作れるスタッフが居なくなっているのかなあ、と思うと自由惑星同盟の人材不足ではないが背筋が寒くなる思い。
取り敢えず続きが出れば観ようとは思うけれど、この調子では「星乱」より後は厳しいかなあ。その悲観を覆すだけの力のある続編が出るといいなあ、と思う。