B.ラムレイ「地を穿つ魔」 東京創元社(文庫/創元推理文庫)

ラヴクラフトの後継者による伝奇ホラーの先駆的シリーズ、堂々開幕」と出版社のサイトに書いていますが、「クトゥルー神話」に取材した作品群の第一弾だそうです。この作品は「伝奇ホラー」といいつつも実質は「怪獣もの」。好き好きはあると思いますが、ラヴクラフトのあの意味の分からない恐怖、というものはあまり感じません。短編集(前日譚?)「タイタス・クロウの事件簿」を読んだ時、微妙な違和感があったのですが、クトゥルーものといえば最近はこんな感じなのでしょうか。割り切ってしまえば楽しめますが、求めるものによって評価は違ってくると思います。