そして

とりあえずトンネルから出ねばどうしようもないのでとぼとぼ。外に出るとそこは炎天下。自宅から30kmも進んでないとはいえ、さすがにパンクした自転車押して帰るには不可能ではないにしろ現実的ではない距離。バス路線ではありそうですがどれに乗っていいのかわからない隣の市内。市街地まではどう考えても10km以上…ほんとどうせいっちゅーねん、と思いつつきょろきょろしていると、真下に線路が走っています。そしてその先には駅が見える!最初に想定していたのはその一つ前の駅でしたが、そうかあそこにあったのか。心は喜び勇んでも、パンクした自転車は十分に重くてそのギャップに余計に心が疲れたりしましたが、15分程歩いて駅到着。この駅で乗降したのはもう四半世紀なかったことだよね、と思うと感慨があるのですが、駅前の砂利を敷き詰めた簡易駐車場をダートと勘違いしてスクーターで遊んでる若いのが何名かいて興ざめも甚だしい。少しの怒りと、不安を抱えつつ眺める時刻表。都会では「ありえなーい」ことでしょうが田舎では電車の30分待ちは「当たり前」でそれが時間単位になることすら「まあないではない」のです。恐る恐る時計をみると…15分待ち!すげーらっきー!予定外に飛び込んだ駅で1/4時間なんて…すごくついてるよ!できればその「ツキ」はパンクなし、にでてほしかったけど!ということでとりあえず「紅い稲妻」号をロックしてから少し浮かれてホームに出ます。

改装で失われた自宅最寄り駅にも存在した「田舎の駅」という雰囲気がいいですねえ。機能性重視というのも悪くはないですが、この風景に馴染む駅舎というのは素晴らしい。電車旅というのもやっぱり楽しいよなあ…とか思ったり思わなかったり。
そして18分待ってようやく電車到着。座った隣に外人さんが居て、座高は同じくらいなのに見るからに差のある脚の長さになんともいえない思いが渦巻いたり。ちくしょー、ちょっと長いと思いやがって…大和民族なめてんじゃねえぞ!と突然愛国的になったりしてるうちに自宅最寄駅に到着。もうちょっと風景を愉しむべきでした。不覚。